最近肩こりがひどいにゃ・・日本では売っていない海外のマッサージ器をネット通販でみつけたから試したいにゃ!でもマッサージ器は医療器具の規制があったような・・。個人輸入するときの規制について詳しく教えて。それとどんな商品が医療器具になるのかも知りたいにゃ~
ミー哉のように海外通販でマッサージ器や診断薬などの医療器具を買いたいという人はそこそこいるね。ただ医療器具は人体に影響を与えるから輸入の規制があるよ。思いもよらない商品が医療機器の分類になっていることもある。規制ルール、品目をしっかり理解してトラブルなく個人輸入してね。
いつも気持ちよさそうに伸びてるけど・・肩こるんだ(笑)
この記事では以下の内容が理解できます。
- 医療機器、体外用診断薬の個人輸入の取り扱いルールを理解できます。
- 個人輸入できる医療機器の商品と数量について理解できます。
- 医療機器の個人輸入の注意点について知ることが出来ます。
※記事では医療機器と体外用診断薬を合わせて医療機器と表現します
医療機器の個人輸入の取り扱いルール
医療機器の個人輸入のルール
- 家庭用の医療機器は1個、又は一定量輸入できる(個人使用に限る)
- 医家用医療機器の輸入は出来ない
医療機器の輸入については販売用の場合、厚生労働大臣または都道府県知事の承認、許可、登録を受けることが必要になります。
個人用の医療機器輸入
医療機器の個人使用に関しては、原則厚生労働省の地方厚生局に書類を提出して営業用でない事の証明を得ることが必要です。しかし、個人特例により個人使用に限り税関の確認を受ければ輸入可能という特例があります。税関は輸入取引の書類(購入時の明細、インボイス)と、現物を確認します。規定数量以内で問題ない商品であれば輸入許可となります。つまり規制の数量以内であれば税関からの問い合わせもなく自宅に配送されてます。
個人用途の特例ですので以下の点を厳守する必要があります。
個人輸入の注意点
- 輸入者自身が個人的に使用する
- 転売、譲渡は禁止
- 他人の分を纏めて輸入することは禁止
- 配送は自宅宛てに指定しておくこと
このルールは必ず守りましょう。
化粧品、医薬品と全く同じルールですが配送は自宅宛てにしておくのも大事なポイントになります。それについては以下の記事を参照ください。
医家用医療機器の輸入は個人輸入できない
医療機器には、家庭用医療機器とは別にお医者様が使用する、医家用医療機器があります。医家用医療機器は、一般の個人が輸入することはできません。医家用医療機器についてはそもそも一般向けの広告も出すことが制限されています。商品を医家用としてここで列挙することは出来ませんが、家庭用医療機器がどのようなものであるか知ることで制限の対象を理解できます。
輸入時に輸入商品を家庭用医療機器でなく、医家用医療機器と判断されてしまうと輸入は不可となります。
個人輸入できる医療機器の商品と数量
個人輸入できる医療機器
– | 項目 | 商品タイプ |
---|---|---|
1 | 家庭用医療機器 | 家庭用マッサージ器 (電気式、エア式、吸引) |
2 | 家庭用指圧代用機 (温熱式、エア式、ローラー式) | |
3 | 家庭用浴装置 (気泡式、超音波気泡式、過流式) | |
4 | 家庭用治療器 (低周波、電位、超短波、赤外線、紫外線、 炭素孤光灯、電気磁気、永久磁石磁気、温熱) | |
5 | 電気睡眠導入期 | |
6 | 家庭用電子針 | |
7 | 家庭用吸入器 (電動式、電熱式) | |
8 | 電解水生成器 (貯槽式、連続式) | |
9 | 家庭用創傷パッド | |
10 | コンタクトレンズ | |
11 | 体温計 | |
12 | 使い捨て医療機器 | 避妊用コンドーム (男性用、女性用) |
13 | 生理用タンポン | |
14 | 救急絆創膏 | |
15 | 液体包帯 | |
16 | コンタクトレンズ (使い捨て) | |
17 | カラーコンタクトレンズ (使い捨て) | |
18 | 体外用診断薬 | 抗原検査診断薬 |
19 | PCR検査薬 | |
20 | 排卵検査薬 |
STEP1
まずは個人輸入できる医療機器がどのような商品なのかを把握します。
個人輸入できる医療機器は3タイプに分けられます
- 家庭で使用する医療機器
- 使い捨て医療機器
- 体外用診断薬
のどれに当てはまるか確認します。
STEP2
購入可能数量を理解します。
個人輸入できる医療機器の購入数量
1.家庭で使用する医療機器
輸入可能数量:1セット(ただしコンタクトレンズは2ペア)
2個人で使用する使い捨て医療機器
輸入可能数量:2か月分以内
3.体外用診断薬
輸入可能数量:2か月分以内
医療機器のカウント方法例
・使い捨て医療機器、体外診断薬のカウントルール
2カ月分のカウント方法は箱単位でなく、内容量で算出する
・計算例.1
2日間使用可能な使い捨てコンタクトレンズ
(30日X2カ月)÷2日分=30ペアまでが2か月分の数量
・計算例.2
1日1回使用する排卵検査薬の2カ月分数量
30日X2カ月=60個まで2か月分の数量
これで医療機器の個人輸入で取り扱える商品、輸入できる数量大枠は理解できると思います。
医療機器の個人輸入の注意点(よくあるトラブル)
商品が家庭用医療機器と認められないケースがある
3.1商品が家庭用と認められないケース
家庭用として輸入しようとした医療機器が税関で引っかかる場合があります。よくトラブルになる商品は美顔器や脱毛器です。大型のもので家庭用として購入したが医家用と判断されて輸入できないというケースです。家庭用と判断されない医療機器は輸入できない為返送することになります。
中国の販売サイトではクリニックで使用するような美顔器や脱毛器を販売しており個人でも購入が可能です。それらの機器は効能が高く魅力的に見えますが家庭用と認められることはありません。輸入できないものは返送となり、返送費用は購入者負担になる為トラブルにならないようにしたいところです。
家庭用医療機器の基準
家庭用の医療機器にはしっかりと定義があります。
例えば家庭用電気マッサージ器の定義としては
家庭用にのみ専用設計された電動の器具をいう。例えばヘッド部又は他の形状部分が振動し、それを手に持ち治療目的の身体部位全体をなぞることが出来る。振動ヘッド部は大きさや形の異なるものに交換可能である。空気圧による圧迫機能または、もみ機能を持つものもある。身体の筋肉組織を刺激、マッサージするためにも用いられる。
医療機器基準等情報提供HP
と細かい規定があります。家で使うから家庭用、という判断基準ではありません。
商品から受けた思わぬ体への影響も自己責任
3.2.商品から受けた思わぬ体への影響も自己責任
医療機器の個人輸入は自己の為だけに使うため商品に期待していた効能、効果がなくても自己責任になります。つまり人体へ影響が出た場合も自己責任となります。
家庭用と言えども医療機器です。医療機器は人体の内部に直接影響するものの為、何らかの影響が体内に発生しています。海外メーカーも海外の基準で製造、販売をしているので効果の高い商品があるのも事実でしょう。ただし日本の薬機法の規制の網に掛かっていない為以下のリスクがあることを理解しておきましょう。
日本の医薬品との法律による監視はされていない以下の危険性がある商品もあります
→日本基準による有効性、品質、安全性は確認されていない
→虚偽又は誇大な効果、効能をうたっているケース
→不衛生な場所や方法で製造された可能性
→正規メーカーを装ったニセモノの可能性
→不具合が起きた場合の対処方法が不明
上記のような点を踏まえて、効果が期待できるからと言って安易に飛びつかず、リスクも考えながら購入を検討してください。最低限価格だけで選ぶようなことはせず実績のある購入先や信頼の高い購入先で商品を購入しましょう。
まとめ
個人輸入できる医療機器のまとめ
・医療機器の個人輸入は医家用医療機器でなければ可能
・譲渡、販売、共同購入は厳禁
・輸入可能数量は
家庭用医療機器:1個
使い捨て医療機器:2か月分
体外用診断薬:2か月分
・自己責任の為十分気を付けて購入する
医療機器、体外用診断薬、医薬品の個人輸入は慎重に!