ナイフの輸入がしたいにゃ!
・・というのは冗談、爪があるから!だけどどんなルールがあるのかは知りたいにゃ!
ナイフはトラブルの多い輸入商品だよ。いつか買うときの為に徹底解説するね(笑)
キャンプ用品や観賞用として人気のナイフ。小物で高額な商品なので海外通販でも人気の商材です。ただトラブルの多い商品でもあります。ルールを理解して楽しく海外通販をしましょう。
この記事では以下のことが理解できます。
- ナイフ(刃物)の個人輸入規制全般
- 輸入できるナイフ(刃物)とできないナイフ(刃物)の徹底解説
- 模造等の輸入規制はどんなもの?
- 日本刀を輸入する方法と意義
ナイフ(刃物)の個人輸入規制について
ナイフ輸入規制はないが銃刀法の規制に該当する
輸入に関するナイフの規制はありません。ただしナイフを含む刃物には銃刀法の規制があります。武器とされる刃物は所持自体が禁止されているため輸入され所持した時点で銃刀法違反が成立します。そのためナイフは税関で厳しくチェックされ輸入の可否判断をされる商品になります。では銃刀法の規制により輸入ができない刃物とはどんなものか見ていきましょう。
銃刀法の規制により所持が禁止されている刃物
銃刀法の基本概念
武器はどの様なものでも所持が禁止
そのうえで刃物で武器とされているものは以下のように規定されています
国内で所持が禁止されている刃物
・刃渡り15センチ以上の
日本刀を含む刀、やり、なぎなた
・刃渡り5.5センチ以上の剣
・あいくち
・飛び出しナイフ
と規定されています。刀ややり等は想像できますが、ナイフ類は少し想像しにくいかもしれません。包丁は?カッターは?はさみは?どうでしょうか。
輸入できるナイフ(刃物)とできないナイフ(刃物)の徹底解説
銃刀法の刃物の判断基準はしっかりありますが・・運用自体は曖昧に運用される部分があります。刃物は「武器」として使用されるか「道具」として利用されるかで大きく使い道が変わるからです。まずは基準にそって把握する事が大事です。
禁止品として規定されているものの定義を説明します。
国内で所持が禁止されている刃物
【=輸入禁止の刃物】
1.刃渡り15センチ以上の日本刀を含む「刀」
・刀とは(片刃で背中部分が反っているもの)
※カッター、包丁、通常のナイフは上記には該当しないナイフ類になります
2.刃渡り15センチ以上の「やり」
・やりとは長い柄の先に穂(=とがった細長い刃)をつけた武器
3.刃渡り15センチ以上の「なぎなた」
・なぎなたとはそり返った、はばの広い長い刀に、長い柄をつけた武器
4.刃渡り5.5センチ以上の剣
・剣とは両刃の刀
剣としての要件
・柄を付けて用いる
・左右均等の形状をした諸刃の鋼質性の刃物
・先端が著しく鋭い
・本来殺傷の用具としての機能を有するもの
剣に分類されるナイフ
・ダガーナイフ
・ダイバーズナイフ
・スローイングナイフ
・スライディングナイフ
等
5.あいくち(刃渡りは関係ない)
・つばのない短刀(ドスと呼ばれるもの)
6.飛び出しナイフ(刃渡りは関係ない)
バネ仕掛けで自動的に刃が飛び出すナイフ
・オートタイプ(該当する)
※セミオートタイプの飛び出しナイフは該当しないとさています。あくまで該当という判例がないという点にご注意ください。
武器に該当するかどうかの判断が微妙な場合の最終判断は経済産業省の判断になります。輸入がスムーズにいかない場合輸入時に税関、若しくは通関業者から輸入商品が武器に該当するのでは?とう質問が入ります。その際上記の基準に照らし合わせて納得がいかない場合は、購入者自身で経済産業省へ確認を行います。掲載産業省は商品の詳細な写真などを確認し、この商品が武器に該当するかどうかの判断をします。経済産業省判断で問題ないと判断されれば税関でも輸入許可となります。
輸入できないナイフと判断された場合
輸入できないナイフと判断された商品は基本的に廃棄することを求められます。輸入できないナイフは武器に該当する商品になります。ということは当然輸出の手続きも難しく、通関業者も税関も放棄を進めるのが一般的です。ナイフは高額な商品も多い為廃棄になると購入者の損害も大きくなります。銃刀法の規制をしっかり確認し確実に該当しない商品の購入をするようにしましょう。
模造刀の輸入について
模造刀の輸入も禁止
模造刀も輸入すること自体の禁止規定はありません。ただし模造刀も銃刀法で所持が禁止されています。その為輸入時にこの商品が模造刀にあたるのかどうか?という点が判断されます。模造刀に該当するものであれば輸入することはできません。
模造刀の規定
銃刀法の規定では「模造刀剣類」は「金属で作られ、かつ、刀剣類に著しく類似する形態を有する物で内閣府令で定めるものをいう。「刃が付いていない=切れない」「研ぐことができない=将来的にも切れない」用具であっても輸入できないことがありますので注意してください。
日本刀を輸入する方法
銃刀法の規制で所持が禁止されている刀。しかし日本刀は適切な手続きをすることで所持することが可能です。所持が可能であれば輸入することも可能です。
輸入できる日本刀とは
3.1.輸入できる日本刀とは
輸入できる日本刀は日本刀としての美術的、文化的価値が認められ都道府県に登録できるものになります。製造後100年以上経過し、伝統的な製作方法によって鍛錬され、焼きをいれられたものであって、姿、鍛え、刃文、彫り物等に美しさが認められ、又は各派の伝統的特色が明らかに示されているもの等とされています。「やり」「なぎなた」「ほこ」等もこれに含まれます。
粗悪な刀は登録出来ない場合があり、登録審査で登録証が交付されない刀もあります。その場合は商品が空港まで届いていても輸入できません。しかし日本刀は基本的には100年以上経過しているものが殆どです。価値の部分ですが「なんらかの美術的価値が認められるもの」「個人の一生を飾る思い出の品」「歴史上・宗教上、貴重な資料」となるもの”であればそれを審査前に申し伝えておきましょう。
日本刀の輸入手続きの方法
3.2.日本刀の輸入手続の方法
価値が認められた日本刀を美術品として輸入するには以下の手続きを行います。国際郵便と国際宅配便、自分の住居地、刀が入港する空港施設により色々なパターンが想定されます。刀の輸送は取り扱いを運送約款で禁止している業者も多く、また国内運送業者も郵便での輸送のみ可能な状態です。従って基本的には国際郵便で輸入するのが最も基本的な方法です。
国際郵便の刀の輸入のオーソドックスな手続きの方法は以下のような流れになります。※東京都在住者で羽田空港経由のケース
刀の輸入オーソドックスなケース
1税関から輸入者に刀が空港に届いている案内が入る
2.東京都教育委員会 文化財行政主管課へ登録の為の連絡する
3.教育委員会から審査会の日程、会場の連絡が入る
※会場は東京国際郵便局
4.審査会会場へ出向き審査を受ける
5.審査が合格となれば手数料をはらい登録証を受ける
6.輸入手続きを税関に行う
他県者の場合や成田空港(千葉県)に到着した場合等色々なパターンがありますが、まずは自分が居住している都道府県の教育委員会、文化財行政主管課へ連絡して指示を仰ぐところからスタートするのは共通しています。東京都のHPリンクが参考になりますので参照してください。
国際宅配便で送った場合も同じような手続きになります。国際宅配便で輸入した場合は立ち合いを委任して代行をしてもらえます。しかしその後通関が終わった後、輸入者へ配送する手段がありませんので最終的には自分で受け取りに行くか郵便で配送してもらうように手配してもらう事になります。
メッセージ~日本刀の輸入が認められることの重要性
日本刀の輸入:ナイフの輸入とは全く関係ない話です
ナイフの輸入とは全く関係ないのですが・・・日本刀は美術品として個人保持することができます。それにより日本に輸入することができます。日本刀は武器としての側面より権威づけ、神事、守護としての役割の側面の強い道具であったという事実が銃刀法の例外として所持を許される存在になったともいえます。
一方で武器として使用されていたという事実もあります。その為戦後の政策で一時的に刀の保持が全面的に禁止され、日本中の刀が接収され宝物としての刀も全滅の危機を迎えました。これに対し日本中の有識者が刀の日本における存在価値、文化的価値、精神的価値を訴え約二カ月で全面禁止のルールは撤廃されました。しかしこの期間に非常に多くの貴重な日本刀が折られ、廃棄されてしました。また接収された刀を持ち主の元に戻すのが完了したのは平成11年と50年近くの年月を要しました。
この戦後の混乱期にかなりの数の日本刀が海を渡り海外の収集家の手に渡ったといわれています。もし刀としての美術品の今の立ち位置がなければ、日本刀は海外にごくわずかに存在し、日本には全く存在しない幻の美術品、工芸品になっていたはずです。
そういう背景を知った後日本刀の輸入を一度だけしたことがあります。長い旅を経て日本に戻ってくることが出来た刀を見て感慨深い思いが湧いたことを思い出しました。
まとめ
ナイフ、刃物、模造刀、日本刀の個人輸入まとめ
個人輸入できない刃物、出来る刃物
個人輸入できないナイフ
・武器に該当する刃物は輸入不可
・武器に該当する刃物
1.刃渡り15センチ以上の日本刀を含む刀、やり、なぎなた
2.刃渡り5.5センチ以上の剣
3.あいくち
4.飛び出しナイフ
・模造刀も輸入禁止
個人輸入できるナイフ
・カッター、はさみ、包丁
・武器以外のナイフ
・文化財的価値のある日本刀は輸入可能
武器として認定された刃物は返送も難しいよ!注意してください。