日本で売っていない商品を海外通販で買いたいにゃ。個人使用の場合だと色んなメリットが受けられるって聞いたことがあるんだけど、どんなものがあるの?
それと個人使用が認められないときのことも教えて!!
海外通販は個人使用が認められる事で税金と輸入規制緩和のメリットを受けられるよ。このメリットのおかげで安く色々な商品を個人輸入できるんだ。
そうなんだ~ちゃんと知っておいた方がよさそうだにゃ
個人使用はメリットが大きいけど、運用は少し曖昧なところもあるんだ。そこがトラブルの原因にもなりやすいよ。ちゃんと理解して対処して最大限メリットを生かしてね。
この記事では以下の内容が理解できます
・海外通販、個人使用で受けられる税金と商品規制緩和のメリット
・個人使用が認められる範囲
・個人使用の税関トラブル回避方法
海外通販、個人使用が認められれば受けられるメリット
海外通販を個人用として輸入するとき2つの大きなメリットを受けることができます。
海外通販を個人使用として輸入するときに受けられるメリット
- 税金を安く抑えられるメリット
- 様々な商品を規制なく購入できるメリット
税金を安く抑えられるメリット
海外通販で商品を買った場合、商品や金額によって関税、消費税が掛かることがあります。その際個人使用の商品に対しては税の優遇が受けられます。
具体的には、個人使用の場合は税金計算の基準となる金額を商品代金の60%にするという特例があります。
この特例により海外商品の税金を大幅に減らして輸入することができます。
輸入貨物の税額計算方法(簡易)
・個人使用貨物の税金計算
商品代金X60%=税金計算の基準
・一般貨物の税金計算
商品代金+運賃+保険=税金計算の基準
税金計算の基準に関税や消費税の税率をかけて税金がきまります。
例)商品代金15,000円のジーンズを送料2,000円で海外通販で購入(ジーンズの関税10%)
・個人使用の税額計算
15,000X0.6=9000円が税額計算の基準
10,000円未満の商品は免税されるため今回の税金はゼロ!
・個人使用でない場合の税額計算
15,000+2000=17000円が税額計算の基準
17,000円に10%の関税と10%の消費税が加算され3,500円の税金が発生。プラスで通関手数料200円~1,000円も加算
※日本受け取り時に4000円前後支払い
という計算になります。個人使用の効果で15,000円の商品購入で4,000円も優遇が受けられました。
Wow!!
個人使用の商品は少額な商品が多く、計算結果後税額計算の基準が10,000円以下になるケースが多いです。その為、関税、消費税の免税も受けられることで大きな節税効果が生まれます。
海外商品の税関計算や16,666円未満の商品が免税されるお話はこちらで解説(建設中)
様々な商品を輸入規制なく購入できるメリット
海外から輸入する商品には様々な規制がかかります。しかし個人使用という事で、数量限定ですが様々な商品を個人特例として輸入することが出来ます。考えようによっては税金メリットより重要なメリットともいえます。
輸入の個人特例により数量限定で輸入できる商品類
・食品(10kg程度)
・化粧品(1品目につき24個以内)
・医薬品(1又は2か月分以内)
・医薬部外品(2か月分以内)
・家庭用医療機器(1個)
()は目安です。細かい規定がありますので解説はリンクから確認してください
これらの商品は個人使用でない場合は輸入規制の対象となります。輸入するには関係する省庁の申請を行い許可を得て輸入する必要があります。
個人用途で輸入する場合はこの手続きは不要になります。購入した後は届くのを待つだけで大丈夫です。しかし個人輸入として認められた範囲の数や量しか輸入できません。
化粧品等は海外通販でも人気の商品です。個人使用の特例があるおかげで幅広い商品の海外通販が楽しめる訳です。
個人使用が認められる範囲
個人使用の範囲
個人使用の範囲
・自分で使用(消費)する商品のみ
シンプルに上記になります。それ以外のものは原則個人使用として認められません。つまり税金と規制緩和の特典を受けられないということです。
税金:個人として優遇するからビジネスの邪魔はしないこと
商品:安全性の保証が出来ないから自己責任分だけならいいです
という考え方に基づくものです。この規定から考えると
・友人へのプレゼント
・家族の為に代わりに買う
・仕事で使用する物品の購入
というケースもすべて個人使用にはあたりません。この大原則を知っておきましょう。
海外通販の個人使用が認められない/認められるケース【具体例】
海外通販で個人使用が認められないケース、微妙なケースを纏めました。
※ | 輸入ケース | 個人使用判断 |
---|---|---|
1 | 送料を抑える為共同購入 | 個人使用でない |
2 | 少量だが転売用に購入 | 個人使用でない |
3 | 業務用のPCを購入 | 個人使用でない |
4 | 家でゲーム用にPCキーボードを購入 時々自営の業務に使用 | 微妙 |
5 | 趣味の家庭菜園用にカッパを購入 | 個人使用 |
6 | 農家で作業着用にカッパを購入 | 個人使用でない |
7 | 友人のプレゼント用に化粧品を購入 | 個人使用でない |
8 | 家族の病気治療薬を購入 | 個人使用でない |
個人輸入の特例はプレゼントも転売も想定していません。個人としての自己責任で輸入するのなら認めますということです。
曖昧な個人使用適用の運用
曖昧にならざるを得ない個人使用適用の運用
個人使用の規定は明確です。しかし購入後に個人用で買ったものを会社で使うようになることもあります。また家族共用で使う事もあるでしょう。
しかも海外通販を購入した人は基本的には商品が届くのを待つだけです。商品を購入するときに、趣味の園芸用に農作業カッパ(個人使用OK)を買います。農家の仕事用のカッパ(個人使用NG)を買います。と明細にかかれることもありません。
したがって実務面では個人使用の判断基準は以下のようなものから判断されることが多いです。
個人使用の判断基準の例
・購入した数量
一度に大量のものを輸入する
・購入する頻度
何度も同じ商品/類似商品を輸入する
・送り先が会社や屋号宛て
等客観的要件から判断
これらの客観的要件から個人用と商用についての通関判断がされます。もちろん曖昧な場合や商品に規制があり厳密な判断が求められる場合は税関、通関事業者から購入者に確認が入ります。
※輸入の実績は税関や各通関業者に残りますので、輸入の頻度が多い場合は商用利用の確認はされます。注意※業者や税関の判断基準が公開されているものではありません。
実務的にいえば時々海外通販をして、家族の分を追加購入した・・というようなケースは個人用として判断されるでしょう。またプレゼントも同様です。客観的な判断材料から正確に使用目的を判断をすることは不可能だからです。
※ただし、個人用の原則を忘れないでください。特に化粧品や医薬品、食品は自己責任だからこそ規制が緩和されています。
転売をされる方/共同購入のケース
上記の輸入をされる方は特に注意してください。必ず個人使用の理解を深めておいてくださいね。商品の規制では転売後の健康被害などの補償。税金面でも後々税務調査が入るケースもあります。自分で使用する場合とそうでない場合には大きな違いがあることを理解しておきましょう。
海外通販の個人使用トラブルを回避する方法
個人使用についての税関トラブル回避方法
1.個人用途の配送先は自宅宛てにする
2.通関される前に特殊要因を通関業者(税関)に伝えておく
1.個人用商品の配送先は自宅にしておく
個人使用かどうかの判断は、書類に記載してある住所や商品の個数から判断されることが多いです。受け取り場所を自宅宛て以外の勤務先などにすることで客観的にみて、個人用途でないと判断される可能性が高くなります。
※医薬品等は自宅以外の受け取りを希望すると厚生労働省への確認を購入者がすることになります。
医薬品についての規制はこちら
2.通関される前に特殊要因を通関業者(税関)につたえておく
特殊要因とはどんなことでしょうか?事例としては例えば以下のようなケースです。
個人使用特殊要因の具体的事例
例)趣味用で同じ商品を一度に輸入する
例えば超お気に入りのスニーカーをみつけ(観賞用、保管用、普段使い用)一気に3足を購入するようなケースがあったとします。同一のスニーカーを一人で3足購入することはないと判断される可能性はあります。
放置すると、商用利用ということで高い税金がかかる可能性があります。商品が発送された時点で運送業者がわかりますので、運送業者に対して個人用途とその理由を伝えておくとよいでしょう。
ポイントは事前に伝えておくこと。商品が手元に届いたときにはすでに税金が決まってしまっています。決まった税金を還付してもらうのはなかなか大変です。税金が決まる前にしっかり目的を伝えておくとトラブル回避ができます。
例)販売用、転売用として購入するケース
販売用、転売用として購入する方も注意が必要です。
後の税務調査を避ける為にも、すべての取引を商用通関してもらう必要があります。こうすることで事後で行われる税務調査の心配もなくなります。
また商用利用では許可が必要な商品のチェックもされます。輸入できない可能性もあるのですが、後々のペナルティを考えればチェックが入ることは悪い事ではありません。
販売用、転売用で輸入される場合は事前に配送し通関する業者へ連絡を入れ個人用ではないことを伝えておきましょう。業者によってはデータベースに登録してもらえ、毎回連絡を入れなくても済むこともあります。
※逆に個人用の商品を購入した場合は、今回は個人通関用ですと業者に伝える事も忘れずにしてください。
まとめ
海外通販の個人使用メリットと注意点
メリット
・税金優遇が受けられる
・規制商品が数量限定で輸入できる
(食品、化粧品、医薬品、医薬部外品、医療機器)
注意点
・個人使用の範囲
あくまで自分が消費、使用する範囲
・個人用途で特殊要因がある場合
日本に届く前に通関業者か税関に連絡を入れる
海外通販の個人使用の意味とメリットを理解して楽しく安全に買い物をしましょう。