海外通販で海外のお菓子や食品を買いたいにゃ・・・どんなルールがあるのか教えて!それとトラブルになりやすい商品があればそれも知りたいにゃ~
食品は体に取り入れるものだから輸入時の税関トラブルが起きやすい商品だよ。商品によっては検疫で輸入できない食品も多いしね。しっかりルールを覚えて失敗しないようにしよう!
この記事では以下の内容が理解できます。
- 個人輸入(海外通販)の食品輸入ルールを知ることが出来ます
- 個人輸入「できる」「できない」食品商品を理解することができます
- 食品の個人輸入で起きやすい税関トラブルを知ることが出来ます
- 食品の個人輸入で商品が税関で止まった時の対処方法について知ることが出来ます
※この記事では”食品”について解説します。調理器具、おもちゃ、添加物は別記事で解説予定です。
個人輸入(海外通販)の食品輸入ルール
1.個人輸入(海外通販)の食品輸入ルール
- 食品輸入は原則すべて輸入規制の対象
-普通には輸入できない- - ただし個人用途の場合は特例で検査を受けずに輸入できる
-個人輸入で個人用途の場合は輸入OK– - 個人用途の判断基準は10kgが目安
-注意)商品によります- - 個人用途の食品でも輸入規制がかかる商品がある
-個人の食品輸入のトラブルポイント-
1.1.食品輸入は原則すべて輸入規制の対象
食品を輸入する場合すべての商品が食品衛生法の対象になります。食品を輸入する時に検疫所に輸入届を提出し輸入しても問題ないと認めてもらう必要があります。規制の目的は「日本には安全性の確認された食品だけを流通させる」「問題が起きた時の責任の所在をはっきりさせる」という目的があります。店舗で売られている輸入食品はこの届出がされています。
1.2.個人用途の場合は特例で検査を受けずに輸入できる
原則届出と検査が必要な食品の輸入ですが、個人用途の場合この輸入届は必要ありません。不特定多数の人に安全性の担保されていない商品がわたることがないという理由から特例が認められています。ですので個人用途であれば実質的に殆どの食品の海外通販を楽しめます。
個人用途でない食品の輸入(営業用や不特定多数に配布する場合)については検疫所に輸入届を提出し合格をもらう必要があります。輸入届には原料、製法、製造元の情報などが必要になります。
1.3.個人用途の判断基準は10kg以下が目安
食品検疫所の基準では10kgを目安に個人用途の判断がなされます。ただし非常に小さな商品(例えば飴10kg)を輸入しようとすると個人用途としては認められない可能性はあります。一律に10kgではない点も押さえておきましょう。
食品衛生法の個人用途とは「輸入した本人が自家消費する場合、外国からの贈り物、旅行者などがお土産用や自家消費用に携帯して輸入する場合に限られます」と規定されています。あくまで自分が消費するという点もポイントです。
1.4.個人用途の食品でも輸入規制がかかる商品
個人使用であれば10kgを目途に食品衛生法の規制なく食品を個人輸入できます。ただし注意が必要な商品があります。”植物系”動物系”医療系”の各種規制にかかる商品は食品の規制がなくても別の法律で規制され輸入トラブルになります。次の項目で解説します。
豆知識~食品とは食べるもの~
食品衛生法の趣旨は不特定多数に安全性の担保されていない食品を国内に広めないという趣旨があります。そのため食べる目的でない食品にはこの規制はかかりません。
例として試験研究用、展示用、社内検討用の商品であれば検疫所への輸入届は必要ありません。魚の缶詰工場を立ち上げるために、海外から安い魚のフレークを500kg仕入れる。それを工場の機械テストに使用した後フレークは廃棄する。という場合等は食品とはみなされず届出の必要はありません。
個人輸入(海外通販)できない(しづらい)食品
2.個人輸入(海外通販)できない(しづらい)食品
以下の商品を海外通販する際は個人使用でも注意が必要です。
※ | 植物検疫法 | 家畜伝染予防法 |
---|---|---|
1 | 野菜(生鮮、冷凍、乾燥:すべて) | 加工肉(ハム、ソーセージ、ベーコン、ジャーキー) |
2 | 果物(生鮮、冷凍、乾燥:すべて) | 肉の入った缶詰 |
3 | 穀類(未加工のもの) | 肉の入ったレトルト食品 |
4 | 豆類(未加工のもの) | コンソメ |
5 | チキン〇〇、ビーフ〇〇、ポーク〇〇 | |
6 | ※人気のコーヒー、紅茶、ナッツ、 乾果等は状態により輸入できます。 また検査に合格すれば輸入可能な 商品もあります。 | ※すべての商品が輸入できないわけではありません。 ただ、加工肉系の商品はすべて検査対象になり、 輸入できないケースが多いです。 |
– | 薬機法 | —— |
---|---|---|
– | サプリメント | サプリメントも体内に吸収するものなので食品になります。 ただし含有成分により医薬部外品に該当することがあります。 その場合は輸入数量の制限を受けます。 |
植物検疫法に該当する食品
植物検疫法で輸入禁止や植物検疫を受ける必要のある食品には個人の特例がありません。コーヒー豆やナッツなど海外通販で人気の商品も状態により規制がかかります。検査なく輸入できるものもありますのでこちらの記事を参考にしてください。
動物検疫にかかる食品
動物検疫も植物検疫と同じく個人の特例が殆どありません。ただチーズや乳製品は購入できます。動物検疫の記事も纏めていますので参考にしてください。
サプリメント
忘れがちですがサプリメントも食品です。サプリメントは一度にまとめ買いするケースもあるので、食品の規制があるという事を意識しておきましょう。またサプリメントは成分によって医薬部外品に分類される商品があります。その場合は一度の輸入数量がさらに制限され2カ月以内分に制限されます。
食品の個人輸入で起きやすい税関トラブル事例
3.個人輸入の食品輸入でおきやすい税関トラブル事例
海外通販で油断していると巻き込まれる税関トラブル・・。食品は規制がかかる商品のためトラブルも発生します。よくある事例を参考にしてトラブル回避に役立ててください。
10kg以下という基準を守ったが個人使用と認められなかった
3.1.10kg以下という基準を守ったが個人使用と認められなかった
先に触れましたが、ガムを10kg、飴を10kg、通販で購入したら個人使用と判断されるでしょうか?
普通に考えると、誰かに配る、販売すると考えるはずです。逆にペットボトル飲料であれば10kg程度の重さにはすぐに到達します。10kgというのはあくまで目安で、個人用途かどうかは商品によっても判断されることを覚えておきましょう。客観的に考えて個人使用と説明できることが大事です。
友人と共同購入で多くの食品を買ってしまい輸入できない
3.2.友人と共同購入で多くの食品を買ってしまい輸入できない
送料を抑える目的で友人3人、30kgの食品を共同購入した。共同購入の場合でも輸入者(購入者)は代表の一人にしなければなりません。そのため個人使用としての特例を受けることができません。個人使用として輸入するなら送料がかかっても一人ずつ購入するという原則を守りましょう。
検疫商品が混ざってしまい他の商品も輸入できなくなった
3.3.検疫商品が混ざってしまい他の食品も輸入できなくなった
個人用で10kg以下の食品を購入。その中にビーフジャーキーも入っていました。ビーフジャーキーは輸入禁止と判断されましたが他の商品は輸入したい・・。商品を2つに分けてもらえば輸入できそうですが、実はビーフジャーキーだけを排除して輸入することは簡単にできません。輸入貨物は安全管理(密輸防止など)の為、貨物を2つに分けるだけでも手数料がかかることを覚えておきましょう。
この場合は「検疫を受ける」「貨物全体を廃棄する」「貨物全体を送り返す」「手数料を払って貨物を分けて必要分だけ輸入する」等の処置が必要になります。手間と費用と時間が掛かるので禁止品についてはしっかり把握しておきましょう。
いつも転売用に他の商品を輸入しているため食品の個人使用を疑われた
3.4.今回の輸入は自分用に食品を購入した。ただいつも転売用に他の商品を輸入しているため食品の個人使用を疑われた
頻繁に海外通販を楽しんでおられる方や転売等の為に輸入をされている方は、輸入実績が多い為食品を輸入する際商用利用の確認がされます。この場合通関業者や検疫所から商用利用についての確認が輸入者になされます。いつも商用利用されている方が個人用途の商品を購入された場合は予め通関業者へ連絡を取り個人用途という事を伝えておくとよいでしょう。
食品の個人輸入で商品が税関で止まった時の対処方法
4.個人の食品輸入で商品が税関で止まった時の対処法
検疫所に「確認願い」を提出し個人使用を認めてもらう
先ほど挙げた4つの事例のうち、検疫の件を除く3つのパターンはすべて同じ内容です。輸入する食品の量が多いときに税関が確認したい事は、輸入商品が個人使用かどうかという点です。
食品の量が多い場合は、税関または通関業者から「個人使用にしては量が多すぎませんか?」という確認が輸入者にはいります。その際、適切な理由があれば本当に個人使用です!という主張をすることができます。
方法は食品検疫所に「確認願い」という書類を提出し、今回の輸入が個人使用であることを認めてもらいます。その後、食品検疫所に認めてもらった証拠として「確認願い」を税関に提出します。基本的に食品検疫所が認めた個人使用は税関でも認められますので商品を輸入することができます。
この対応は郵便の場合は購入者自らが食品検疫所とのやり取りを行います。また国際宅配便の場合は通関業者に交渉を代行してもらうことも可能です。
「確認願い」には輸入する食品をどのように消費するかを記載します。また他人に販売しない、譲渡しないなどの誓約もすることになります。賞味期限等と照らし合わせて個人用であると客観的に認められれるかどうかがポイントになります。
まとめ
食品の個人輸入のまとめ
・個人用途であれば食品は10KG程度まで自由に輸入通販できる。
・ただし検疫商品等は輸入できないケースがある(動物性、植物性に注意)。
・一度の輸入量が多い場合は検疫所に確認を受けて輸入する
ルールがわかれば税関トラブルはないはず!