フランスのミルクを買いたいにゃ!でも検疫とか・・なんとかあったような。海外通販で動物検疫の規制がある商品を教えて。どんな商品が輸入できて、どんな商品ができないのか?も知りたいにゃ。
動物検疫は厳しい規制で個人特例も少ないからトラブルも多いんだ。動物検疫商品を個人で輸入するのはむずかしいから、どんな商品に規制がかかっているか解説するね
わざわざフランスからミルクを空輸するとは・・
この記事では以下の内容が理解できます。
- 個人輸入の動物検疫ルール
- 個人輸入で動物検疫に「該当する商品」「該当しない商品」
- 個人輸入で動物検疫に該当した商品はどうなるのか
個人輸入の動物検疫ルール概要
1.個人輸入の検疫ルール(動物検疫)
- 病原体が付着しやすい動物、動物由来商品は「輸入禁止」もしくは「動物検疫」を受けなければならない(基本は個人輸入の例外なし)
- 動物性由来商品のうち、病原体が付かない動物性商品は動物検疫を受けなくてもいい
動物検疫の目的
外国から輸入される動物・畜産物などを介して家畜への伝染性疾病が国内に侵入することを防止する
動物検疫所HP
検疫ってなに?検疫については植物検疫の記事で解説しています。
動物検疫の目的は、生きた動物や動物由来の商品に付着した病原体の国内への持ち込みを監視することです。病原体から日本の畜産業を守る大切な役割を持っています。病原体が一度持ち込まれてしまうとその影響は非常に大きく、鳥インフルエンザや口蹄疫が広がると個人では償えない規模の影響を与えます。そのため殆どの商品に対し動物検疫の個人への特例はありません。
動物性由来の商品は基本的に個人輸入(海外通販)ではハードルが高い商品になります。
しかし動物検疫はすべての動物性由来の商品に対し課せられるものではありません。動物性由来の商品を検疫カテゴリーで分けると以下のように分類できます。
– | 動物性商品 動物検疫分類 | 輸入可否 | 個人通販 |
---|---|---|---|
1 | 輸入禁止品 | 輸入できない | 個人通販できない |
2 | 検疫対象品 | 条件付きで輸入できる | 個人通販に不向き |
3 | 検疫対象外品 | 輸入できる | 個人通販可能 |
病原体が適切に処置されている動物性由来の商品は検査不要とされています。代表的なものとしては本革の財布やダウンを使用した衣類等になります。
税関トラブル(正確には検疫トラブル)を避けるためには、どの動物性商品が不要なのかを知っておけばOKです。以下の章で解説していきます。
個人輸入で動物検疫に「該当する商品」「該当しない商品」
個人輸入で動物検疫に「該当する商品」「該当しない商品」
2.1.輸入禁止の動物、動物性由来商品
– | 動物検疫輸入禁止品 |
---|---|
1 | 特定の地域から発送された動物、鳥類及びその加工品 |
2 | 動物検疫該当品で口蹄疫、高病原性鳥インフルエンザなどの発生により 輸入が禁止されている地域からの商品 |
輸入禁止品は先に書いたように口蹄疫、鳥インフルエンザ、狂牛病等大きな影響を与える可能性があります。発生地域は頻繁に変わりますので動物検疫所HPの最新情報を参考にしてください。
2.2.動物検疫を受ける必要がある動物、動物由来商品(個人輸入に不向き)
– | 種類 | 動物検疫が必要な動物、動物由来商品 |
---|---|---|
1 | 動物本体 | 鳥、牛、豚、山羊、羊、鹿、馬、鶏、犬、うさぎ、 みつばち、うずら、きじ、ダチョウ等 |
2 | *** | 動物由来商品 |
3 | 肉 | 臓器及びその加工品:(生、冷凍、冷蔵、 加熱調理済み加工含むいかなる形態のもの) 例:ジャーキー、ハム、ソーセージ、ベーコン、 肉まん、〇〇コンソメ |
4 | 卵 | 卵、卵の殻 |
5 | 身体の部位 | 骨、脂肪、血液、皮、毛、羽、角、腱、蹄 |
6 | 動物により生成 | 生乳、精液、糞、尿 |
7 | 加工食品 | 缶詰、レトルトパウチされた肉製品を含む商品 (カレー等) |
8 | その他 | みつばち、穀物のわら |
9 | 乳製品 | ミルク、クリーム、バターミルク、 プロセスチーズを除くチーズ ※個人使用は検査不要 |
上記の商品を輸入するには検疫所の検査を受けて合格をもらう必要があります。動物検疫所には以下の情報を提供します。
・輸出、包装者、生産国、地域を確認する資料
・学名を確認できる資料
・輸出国の政府機関発行の健康証明書
書類提出後、検査をクリアし食品検疫の合格をもらえればその後税関に申告を行い輸入可能となります。そのため個人通販での輸入は難しいです。
※缶詰、レトルトパウチの検疫商品は書類提出ではなく、検疫所による現物の状態確認により輸入の可否判断がされます。状態に問題なければ最終的に輸入できることがあります。輸入できる状態の判断が現物確認でできなければ上記の書類を提出することになります。不合格となる可能性もある為やはり個人通販には不向きな商品です。
動物検疫に該当しない動物由来商品(個人輸入に向いています)
– | 動物検疫が必要ない動物由来商品 |
---|---|
1 | 革製の製品(革のバッグ、財布、ベルトなど) |
2 | 動物の毛を使った製品(羊毛セーター、マフラー等) |
3 | 動物の羽を使った製品(ダウン、羽毛布団等) |
4 | はちみつ(ただしハチの巣や蜂の子などが付着していない事) |
5 | 乳製品(ミルク、クリーム、バター、チーズ、ヨーグルト) :ただし個人使用の場合のみ |
動物由来の商品であってもしっかりと製品化された商品は消毒済みであるため検疫は不要です。代表的なものは加工済みの革製品、衣類、寝具になります。
※乳製品は本来「動物検疫」「食品届」の2つの規制がかかる商品です。しかしどちらも個人特例により規制の為の検査は不要になります。ただし個人の食品輸入では10kg未満とされていますのでご注意ください。
※「蜂」や「ハチの巣」は動物検疫の検査が必要です。しかし「はちみつ」は動物検疫の検査は不要です。個人使用での輸入の場合は食品の規制に該当しますので10kg以下であれば輸入可能です。
食品の輸入ルールについては以下の記事を参考にしてください
個人輸入(海外通販)で動物検疫に該当した商品はどうなるのか
動物検疫に該当してしまった商品はどうなる?
殆どの商品が「廃棄」又は「返送」処分になる
動物検疫に該当してしまった場合、通関業者または税関から輸入者(購入者)へ連絡が入ります。商品が動物検疫に該当するという連絡を受けた場合、残念ながら商品を輸入できる可能性はかなり低いです。
輸入禁止品の場合は強制的に廃棄処分。
動物検査該当品の場合は検査に必要な書類が用意できれば輸入可能。
検疫検査に必要な書類を用意できない場合は、現地に商品を返送するか、そのまま自主的に廃棄処分を求められます。
返送費用、廃棄費用は通関業者や運送業者との交渉になります。動物検疫所からの請求自体はありません。
動物性商品の検査該当品/検査不要品を押さえておくことで個人通販での廃棄リスクはなくなりますのでぜひ押さえておきましょう。
まとめ
個人輸入(海外通販)で動物検疫にかかる食品
個人通販であっても動物性商品は検疫を受ける必要がある
病原体がついている可能性がある動物由来商品に注意
検疫検査の商品は「廃棄」「返送」につながる可能性が高い
動物検疫の必要がない動物由来商品を把握しておく
動物検疫はかなり厳しい規制だからしっかり覚えておこう!