海外コンバースシューズ(本物)は日本に持ち込めるのか?
について考察します
海外コンバースは税関で没収される商品です。
複雑な利権が絡む海外コンバースシューズと日本製コンバースシューズ。
このブログでもコンバース関連の記事はよく読まれる記事で輸入方法についてメールで質問を受けることもあります。
質問の内容は
・正規品なのになぜ没収されないといけないの?
・没収されない方法はないの?
というものです。
絶大な人気を誇る【CT70】などはハンドキャリーでも持って帰りたいという人も多いようですが・・・ネットでは
・持って帰っても税関没収になる
・自分が履いて帰ってもひっかかる
・海外正規品でも日本では違法
という結論に至るケースが多いようです。
ただ本当にそうでしょうか?筆者の結論は
海外正規品のコンバースシューズ
・自分で履いて帰る
・1,2足持ち帰る
行為を規制するのは困難→持ち帰れる
になります。
理由と根拠を書いていきます。
まず、海外コンバースシューズは正規品であっても日本では偽物とされていてこれは裁判で結論がでています。日本で違法な理由についてはコラム:USコンバースシューズは偽物?消費者として求めるもの”を参考にしてください。
また、2022年に法律が改正され個人用の海外通販であっても偽物は税関没収の対象となりました”コンバースシューズの並行輸入は税関没収に:理由と抜け穴を検証”
しかし今回の法律改正をする際に書かれた”特許庁の資料には以下の記載があります。
携帯品(ハンドキャリー)については、アメリカでは数量等の制限を超える場合は差し止め対象。EUでは「業として」の性質を有する場合に差し止め対象。日本では事業者による場合差し止め対象。
関税局、特許庁資料:海外の事業者を仕出人とする模倣品の水際取締まりの強化:令和3年11月5日資料
リンクが張れないため資料の一部をスクショで残しておきます。
日本では携帯品(ハンドキャリー)の場合「業として」持ち込む場合没収の対象。つまり販売目的だと没収なわけです。
自分用(個人使用)の場合は没収されない、ということは・・
・自分で履いて帰るのは大丈夫
・1.2足持ち帰るのも大丈夫
(ただし個人用とちゃんと主張できれば)
となります。
一つ注意点ですが、海外コンバースシューズは正規品であっても日本では偽物というのは変わりません。ただ個人が使用する偽物を水際で取り締まる根拠は
・海外事業者が日本に偽物を持ち込ます行為を取り締まる
という根拠しかありません※ここがポイントです。
念のため2021/22年に商標法/関税法が改定された際の趣旨は以下の通りです。※なお、の部分に注目です。
海外事業者の行為について、模造品を郵送等により日本国内に持ち込む行為が商標法及び意匠法の侵害行為となる事を明確化。
※なお、本改正後も個人(個人事業主は除く)は引き続き罰則の対象外
もう少し知識を増やしましょう
商標って難しいですね・・
・商標とは:業として商品を生産し,証明し,又は譲渡する者が,商品について使用をするもの
とされています。そう個人に対する規制は難しいのです。個人への規制をしてしまえば個人的にキャラクターのイラストを描くことすら犯罪になる可能性もあります。実質的に個人への規制はできないといっていいでしょう。
ただそれでも税関で没収される可能性はあります。
理由は偽物だからです。偽物なので任意に放棄をして欲しいと求められることはあります。
没収ではなく任意放棄です
その場合は”個人で個人的に使用するので持ち込めませんか?”と確認するといいでしょう。
あとは自分の良心と相談して任意放棄するか、持ち込むかになります。もちろん持ち込めたとして譲渡、転売等をすると大きな罪に問われる可能性があることを忘れずに。海外製の本物であっても日本では偽物です。
ちなみに2022年10月の法律改正前も個人で使用するコンバースシューズ等偽物とされる商品は税関で止めれていました。
止められた後は、意見書の提出により個人使用を主張して輸入する。任意放棄を申し出て廃棄する。何も主張せずに廃棄される。の対応がされていました。今も同じで偽物であると判断しされたらハンドキャリーでも税関ではひっかかる可能性はあると考えておきましょう。しかし一方で法律上は強制没収はできないのも事実です。
自分の職業柄こういうことを試すわけにはいきません。毎日毎日沢山の偽物であろう商品の通報等で権利者を守る立場でもありますし、偽物被害には強い憤を感じます(仕事の後処理も大変ですし・・)
ただやっぱり本物の靴が廃棄されるのを見るのは心苦しいのも事実。
コンバースシューズを海外通販で購入することはあきらめたほうがいいと思います。もしどうしても・・という人はやはり海外旅行で購入し履いて帰る・・のが唯一の方法ではないかと思います。
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