コンバースシューズの並行輸入は税関没収に：理由と抜け穴を検証

日本向け海外通販サイトからコンバースシューズが次々消えています

海外通販サイト日本発送から消えるコンバースシューズ

コンバースシューズの日本向け通販が次々と消えています。出品サイトで表示されていても、発送先を日本へ変更すると商品が表示されないケースも。

海外コンバースシューズについては、平成22年4月27日の伊藤忠VSロイヤル裁判が結審。海外コンバースシューズは日本ではすべて偽物という扱いになっていました。

実際平成22年以降コンバースシューズが没収され廃棄するのを何百件と目にしてきました。ただ、道義上はともかく個人使用での抜け道があり、それを見越しての販売は継続されていました。

しかし2022年10月1日の法律改正により海外通販の偽物はすべて没収の対象となりました。海外通販サイトから海外コンバースシューズが消えたのは「税関に見つかれば100％没収されるため」、もしくは「海外の販売者が偽物を販売する業者」をいうことを避けるためというのが理由でしょう。

海外海外コンバースシューズを手に入れる方法

海外通販で海外コンバースシューズを個人輸入することは不可能
業者が購入した並行輸入品を購入することも不可能

抜け道：
※海外の友人からプレゼントとしてもらう
※個人取引で直接個人から購入する
※自分で履いて帰る

商標権侵害の商品で商売することは禁止されています。よって販売用として扱うことはどんな方法であっても禁止。個人として楽しむ方法がグレーですが残された道です。

個人が商標を侵害するという概念はとても難しいらしく、これ法律違反とすると個人的に描いた絵や学校の文化祭などで描いたシンボルなどすべてのものを取り締まらなければなりません。

・商標とは：業として商品を生産し，証明し，又は譲渡する者が，商品について使用をするもの
商標法の規定

商標とは業として行うものに発生するものという規定があり個人使用を取り締まるのは難しいです。

また商法を使用することに輸入という行為も当てはまりこれが商標を使用したことに繋がるため、偽物を輸入することはできないのですが、輸入の規定に以下の条件が加わりました。

今までは輸入という行為は
・日本に住むものが日本国に商品を持ち込む行為（業者、個人）
と規定されていました。
しかし今回追加で
・海外の事業者が日本に持ち込ませる行為も輸入という（←追加）

となっています。これにより個人通販でも偽物が取り締まりを受けます。しかし個人間のやり取りについては今後も規制は難しい、というのが現状です。

個人間取引でも税関からの確認は来ます

先の説明通り、個人間取引について没収の根拠は乏しいです。しかし、それでも税関業務として偽物とわかっているものは取り締まるはずです。偽物は偽物ですので。

税関より認定手続開始通知書が届きますので、そこで個人間取引であり知的財産侵害に当たらないことを説明し認められれば輸入は可能です。その際どのルートでもらった、買った等を説明する必要があります。

もちろん少しでも販売目的であったり継続して輸入しようとしているものであれば、没収や罰則を受けるのは言うまでもありません。

海外コンバースシューズは偽物なのか？

このブログでは偽物の持ち込みや、禁止品にひっかからないよう注意する記事をたくさん書いています。今回、抜け道について書いたのはコンバースシューズの輸入差し止めの複雑な事情や、長年のUSコンバースファンの方の心情を思って書きました。

コンバースシューズは昔はワゴンセールで気軽に買えるようなシューズでしたが、今や日本で海外コンバースを見つけるのは絶滅危惧種の生物をみつけるような難しさがあります。

海外コンバースシューズは日本では偽物として確定していますが、海外では正規品という扱いです。

仕事で沢山の本来は本物とされる偽物が廃棄されるのを見るのは辛いなと感じますし、何とか権利者の立場を守りながら消費者にも利益があるようになればいいのにと頻繁に思います。

別記事でコンバースシューズが輸入禁止品になった経緯と複雑な利権関係、裁判所、消費者のとらえかたについてコラム記事としてかきましたので興味のある方は読んでください。