海外通販って国際宅配便と国際郵便の二つの運送方法があるみたいだけど?何が違うの?
確かに分かりにくいよね、名前も似ているし・・
両者は名前は似てても全く違う特徴があるんだよ
その特徴を知っておくとお得に買い物ができるんだ
記事ではサービス毎に両者の違いを解説していくよ
この質問は通関の現場でお客様からよく受ける質問の一つだから記事を是非参考にしてください!
国際宅配便と国際郵便について
国際宅配便と国際郵便の違い
・国際宅配便=民間の運送会社
・国際郵便=郵便局が行うサービス
混乱して理解されていることが多いのですが、大きなカテゴリーで分けると”民間業者”と”郵便局”という括りで分けられます。
2つを分けて考える理由
この2つはどちらも海外⇔日本へ荷物を輸送するサービスを展開しています。
サービス内容は似ていますがこの2つは分けて考えておいた方が通販の時にはなにかと便利です。
↓ここが重要だよ↓
国際郵便は公共性が高いサービスということで制度面で特別に優遇されています。しかしサービス面では競争が激しい国際宅配便に一日の長があります。消費者はこれをうまく使いこなすことで少なくないメリットを受けることが出来ます。
主なサービスの違い
2つの配送方法主な違いは
・追跡サービス
・通関サービス
・配送日数
・運送/通関費用
・関税/消費税
これらに特徴的な差異が見られます。
特徴を知る事でお得に買い物ができるってことだね!
国際宅配便と国際郵便のサービスの違い
まずは全体的な比較です
国際宅配便 | 国際郵便 | |
追跡サービス 安全性 | ◎ | △ |
通関手続き トラブル時 | ◎ | X |
配送日数 | ◎ | △ |
運送費/手数料 | X | ◎ |
関税/消費税 | ◎ | ◎ |
※双方を比較した時の相対的なものです
一つ一つ具体的に確認しましょう
追跡サービス/安全性
・国際宅配便 > 国際郵便
・国際宅配便は基本的には追跡が可能
・国際郵便は追跡不可のケースが多い
追跡サービスと安全性なら国際宅配便
国際宅配便は基本的にはドア To ドアのサービスです。
国内の宅配便と同じように追跡番号が即座に発行され商品発送時から届くまで追跡可能です。
国際郵便のサービスの多くは日本の郵便局と各国の様々な郵便局や運送業者との提携になります。このためドア To ドアの追跡サービスは受けられないことがあります。※EMS等特定の国などの条件で追跡サービスを受けられるケースもあります。
荷物の紛失、破損などは様々な業者が絡むことで発生しやすくなります。
追跡サービスが提供されている一貫サービスであればどこで商品が紛失したのか等の追跡も出来ます。
追跡ありの国際宅配便のサービスはトラブル時の対応も素早いのが特徴です。
高額商品や一点物など希少な商品を購入する場合は追跡サービスありの国際宅配便を利用するのが良いと思います
通関手続き方法
国際宅配便 > 国際郵便
※通関時のトラブル発生時
通関手続きのトラブル発生時は国際宅配便
通関時のトラブルが発生した際に安心なのは国際宅配便を利用していた場合です。
国際宅配便の通関手続きは通関士が輸入者に代わり代行してくれます。トラブルがなければ購入者(輸入者)は何もしなくてOKです。トラブルが発生した場合でも税関との間に通関士が入りアドバイスや交渉をしてくれます。※この場合の通関費用はかかりません。
国際郵便の通関手続きは税関が行います。国際郵便局内に税関職員が出向き貨物をチェックする方式です。国際宅配便と同じでトラブルがなければ購入者(輸入者)は何もしなくてOKです。しかしトラブルが発生した場合は購入者本人が税関へ説明や交渉をする必要があります。
税関でひっかかるケースは、価格の確認、商品説明、原産地証明書の確認、医薬品、食品届の確認など、約20項目程度の内容の確認があります。商品によっては知識不足で輸入を断念することにもつながります。
専門的なアドバイスと交渉は基本無償で受けられますので通関に関しては国際宅配便がお薦めです
国際宅配便と国際郵便の通関ルールの違い
国際宅配便と国際郵便の通関方法は全然ちがいます
国際宅配便=通関士が代行して自主申告を行い税金などがきまります
国際郵便=税関が検査を行い税金などを決めます
国際宅配便の通関方法は少し難しい言い方ですが”申告納税方式”といいます。
税関に自主的に申し出る方式です
嘘ついたらペナルティがあるにゃ
この方式は輸入者が税関に対し”誰が”何を”いくら”で購入した”ということを自主的に税関に申告する方式です。実際は通関業者の通関士が輸入者に代行して手続きします。
輸送貨物1件1件に対し購入明細を基に書類の起票を行い税関に申告します。それを税関がチェックするという流れです。
国際郵便の通関方式は賦課課税方式といいます。
税関が検査して判断する方式です
この方式は税関が郵便局に届いた商品を確認し、添付してある書類をみて任意に検査を行い税額を決める方式です。国際宅配便のように1件1件書類を起票することはありません。
国際宅配便に比べると簡易に通関が出来る仕組みになっています。国際郵便は小口で個人宛のものが多い為このような制度がかなり昔に設計され今でも残っています。
税関で商品がひっかかった場合
税関で商品がひっかかった場合以下の方法で購入者に連絡が入ります。
国際宅配便=通関業者から輸入者に連絡が入る(SMS、電話、メールなど)
国際郵便=税関からハガキが来る(外国から到着した郵便物の税関手続き)
国際宅配便の場合、輸入者とのやりとりはメールや電話でやり取りをするのが一般的です。
資料の提示などもメールで行います。
国際郵便の場合の輸入者とのやりとりは簡易書留で税関からお便りが届きそれを返信する形になります。返信は添付されているハガキで返信か封書で資料を郵送することになります。やり取りに若干時間がかかることがあります。
注意)国際郵便でも高額案件は自主申告必要
国際郵便であっても商品代金が20万超える場合は国際宅配便と同じように税関に申告をしなければなりません。その場合郵便局に代行してもらうのが一般的です。費用は”輸入6,600円””輸出2,800円になります。尚自分で通関をすれば費用は掛かりません。
いざという時通関のアドバイスを受けたい人は国際宅配便を使いましょう
配送日数
国際宅配便 > 国際郵便
※ドア To ドアの一貫サービスなので国際宅配便が速い
配送日数も国際宅配便が優れています。
例えば以下の表はイギリスの大手サイトのイギリス→日本への配送予定表です。
配送日数 | 国際宅配便 | 国際郵便 |
アメリカ→日本 | 2-4日 | 7-20日 |
イギリス→日本 | 3-7日 | 5-20日 |
国際宅配便の輸送は殆どの輸送を一つの企業体でカバーします。
商品の中継が少ない為スピートは非常に早いです。
国際郵便の輸送は複数の企業体を中継して商品の配送をしますので時間がかかる傾向にあります。またEMS、航空便、船便などでスピードが大きく異なります。最速のEMSの場合は国際宅配便より少し遅い程度のスピードがあります。。
DHL等最速の国際宅配便のサービスとして、アジアであれば午前中に発注した商品が翌日届くという驚異的なサービスもあります。
急ぐ荷物は国際宅配便がお薦めです
運送費
国際宅配便 < 国際郵便
※国際郵便が圧倒的に安い
送料については間違いなく国際郵便で配送されるほうが安いです。
例えばイギリスの通販会社の設定では配送料が3倍程度。また通販では〇〇円以上購入で送料無料という設定がポピュラーですが、その設定も3倍程度の差があります。
イギリス→日本 | 国際宅配便 | 国際郵便 |
配送料 | 2500円 | 700円 |
送料無料になる 購入代金 | 9000円 | 2900円 |
輸入の場合は送料の詳細までは分かりづらいことが多いと思います。ただ自分が海外に商品を発送することがあれば、国際宅配便と国際郵便の金額の差をより実感できると思います。
運送費は国際郵便が断然安い!
関税/消費税/手数料
国際宅配便 ≦ 国際郵便
※国際郵便の手数料は安い
商品を輸入する場合、通関料や関税などがかかることがあります。この費用は基本的に国際郵便が安い傾向です。
輸入手数料 通関料/立替手数料 | 国際宅配便 (立替手数料) | 国際郵便 (通関料) |
商品代20万円未満 | 500円~1000円 又は税金の2%の高い方 | 200円 |
商品代20万円以上 | 500円~1000円 又は税金の2%の高い方 | 6,600円~ |
手数料
手数料とは通関手数料や税金を建て替えた時にかかる手数料です。
国際宅配便の手数料は税金を立て替える手数料として徴収されます。
金額は1件につき500円~1000円程度で設定されています。またその設定金額と税金の2%を比較し高い方が採用される設定の会社が多いです。
例えば場合税金60,000円の場合は、60,000x2%=1,200円となり。1,200円が立替手数料になります。
※ちなみにこの費用は税金がかからない場合はかかりません。
国際郵便の手数料は通関料として請求されます。国際郵便の制度上納税は商品配送時に購入者が行います。その為税金を立て替えてもらう必要がなく立替手数料は取られません。その代わり通関料が200円がかかります。また商品代金が20万円をこえる場合輸入通関料6600円が最低料金としてかかります。この場合は国際宅配便の立替手数料の方が安くなります。
※ちなみに通関料も税金がかからない請求されません。
安価な商品は国際郵便、高価な商品は国際宅配便の手数料が安いです
関税/消費税
関税消費税の計算は国際宅配便も国際郵便も同じです。しかし筆者は
国際郵便がお得と考えざるを得ない
と考えています。
国際宅配便の通関では基本的に簡易税率、一般税率、特恵税率、軽減税率を使い最も輸入者が有利(安く)になるように計算が行われます。その結果簡易税率より安くなることもあります。
国際郵便の場合、税関は簡易税率を基に税金の計算が進めます。このとき通常簡易税率では使えない特恵税率に関しても、インボイスの状態から特恵税率が適用できるものであれば関税をかけないなどの処置がされます。
その為基本的にはどちらの制度を使っても関税、消費税は似たような金額になるはずです。
ただし国際郵便では関税がかかると思っていても、かからなかった!という声をよく聞きます。これについては制度上の問題でそのような事が実際起こっていると考えられます。詳しい記事は以下の二つの記事にまとめましたので参考にしてください。
個人輸入の疑問!国際郵便は関税がかからないのは本当か
ラッキーでいいの?国際郵便で関税がかからなかったときどうする?
関税や消費税に関しては国際郵便の方が得することがあるみたい・・・
国際宅配便と国際郵便の見分け方
国際宅配便と国際郵便の見分け方
ここに注目しましょう
・追跡あり/追跡なし
・配送日数短い/長い
・配送料高い/安い
通販サイトによっては”EMS”DHL”Fedex”など業者の記載があるサイトもあります。しかし基本的に商品を個人輸入する場合配送業者を自分で指定することは出来ません。
100%ではないですが見分け方としては、サービスがレベルが高いのが国際宅配便。コスパがいいのが国際郵便と考えます。そして、追跡配送あり/なし、配送日数短い/長い等のオプションが用意されているサイトであれば、安い方を選べば国際郵便で到着する可能性が高いということだけ覚えておきましょう。
購入金額の総額、購入品の希少性など総合的に判断して追跡あり、なしのサービスを選ぶのがいいですね
まとめ
国際宅配便と国際郵便の比較
サービスに関する点は国際宅配便◎
費用に関する点は国際郵便◎
両者の通関制度はまったく異なる
・国際宅配便は通関士のアドバイスあり
・国際郵便は購入者が自己対応
両者のメリットデメリットを利用して使い分ける
・高額商品は国際郵便を利用
・安価な商品は国際郵便を利用
コメント