税関から「”原産地証明書”の有無の確認のため、税関において通関処理ができない」って連絡が来たよ!!これってピンチなの?何を答えたらいいにゃ??全然わかんないんだけど・・
さては高い商品を買ったね(笑)。原産地証明書については20万円を超える商品で関税がかかるものを買った時に確認されることが多いよ。
でも安心して。税関でひっかかった訳じゃないんだ。関税を掛けない為の証明書を持ってますか?っていう確認だけ。証明書はなくても輸入可能だよ。ただ証明書があれば関税が安くなるんだ。原産地証明書を理解して関税を安くするのはかなりハードルが高いけど海外通販を繰り返えす人は知っておくといいね。
税関が原産地証明書確認をする意図
税関から「原産地証明書(FORM A)」若しくは通関業者経由で「原産地証明書の確認」「経済連携協定の税率」確認の為通関処理ができないという連絡を受けた時の確認の意図です。
確認の意図
あなたの荷物は関税がかかるけど”証明書”の提出で関税が安くなる。
あるなら提出して:関税安くなる
なければ無いと言って:そのまま輸入
つまり確認であって税関でひっかかっていません。ない場合は”ない”と回答すればすぐに輸入可能です。
税関への回答方法
証明書がない場合
証明書を持っていない場合
原産地証明書はありませんと回答
税関へ直接→はがきに記載
通関業者へ連絡→電話やメール
※個人輸入は99%この回答になるはずです
基本的な原産地証明書はお金を払い現地国で取得してもらいます。ですので個人輸入で原産地証明書を使う場合は購入者も書類の存在を理解しているはず。商品が日本に届いてから取得するというパターンはかなり少ないと思われます。
税関や通関業者への回答は「ありませんのでそのまま通関を進めてください」という回答でOKです。
ここから先は少しややこしいけど、チャレンジすればお得になる事もあるよ
証明書発行をチャレンジする場合
証明書の発行を確認する場合
販売先に原産地証明書発行を確認
ただし特定条件の場合のみ
OK→税関へ書類提出
NO→ない事を回答
原産地証明書は関税を安くする証明書。なんとしても取得したいところです。ネックなのは手数料で現地に依頼すればUSD100.00程度の費用を請求されます。
しかし最近は貿易を活性化させる目的で特定の国や地域との取引では無償で証明書を発行できる仕組みが作られています(経済連携協定の自己証明)。
取得できるパターンを確認していきましょう。
原産地証明書って個人でとれるの?
原産地証明書とは
原産地証明書はその商品がどこで作られたのかを証明する証書です。どこで作られたという基準は明確な基準があり専門的な理解が必要です。
何に使うの?
原産地証明書を用いることで輸入品の関税を安く抑えることができます。
どうやって使うの?
1回の輸入で20万円を超える商品の輸入取引で関税がかかるものを輸入しようとする時に証明書を添付します。20万円以下の場合は証明書は不要で商品に添付されている明細(インボイス)にMade In 〇〇などの表記があれば証明書の代わりになります。
誰が発行するの?
原産地証明書は第三者機関が有償で発行するものと、自己証明が認められるパターンがあります。自己証明は生産者、輸出者、輸入者が証明書を作ることが出来ます。※国地域によって生産者以外の証明が認められないケースもあります。
どの国の商品でもいいの?
第三者証明
第三者機関の証明書は多くの国の商品に使用することが出来ます。(軽税連携協定締約国、特別特恵受益国の殆ど)ただし基本的にすべて有償ですので個人輸入の商品で発行されている事は少ないです。
自己証明
自己証明で証明書を発行できる国と発送地域は以下の通りです。
①仕出国がEUでEU内で作られた商品
②仕出国がイギリスでイギリスで作られた商品
③仕出国がTPP圏内でTPPで作られた商品
※TPP(メキシコ、シンガポール、ニュージーランド、カナダ、オーストラリア、ベトナム、マレーシア、チリ、ペルー、ブルネイ)
※第三者証明は原産地申告書
※自己証明は原産品申告書
と呼ばれます。
販売者に確認することで証明書が手に入るケース
個人で原産品申告書を入手できるパターンは以下の条件にまとめられます
税関又は通関業者から証明書の有無を確認された後
①仕出国がEUかつ
→EU域内で作られた商品
②仕出国がイギリスかつ
→EU域内で作られた商品
③仕出国がTPP圏内かつ
→TPP圏内で作られた商品
3つのパターンは販売者に交渉(確認)で原産品申告書が手に入る可能性あり。
イギリスの会社から買ってもシンガポールから出荷した場合などはX
原産品申告書入手の具体的手順
原産品申告書が取れるかどうかの確認手順です。ここでは一番簡単な方法をお伝えします。
メールやチャットで聞くだけです。
EU/イギリスからの荷物の場合
以下のように現地に確認してみましょう。
Could you issue a certificate of origin.
Is it possible to include the following words on the invoice?
原産地証明書の発行をしていただけないでしょうか。
請求書に以下の言葉を記載することは可能でしょうか。
税関HP原産地証明書手続き(日EU・EPA 日本での輸入時に使用からダウンロードできます)
上記のフォームはEU/イギリスとの経済連携協定の原産品申告書の宣言フォームになります。EUやイギリスから発送する業者が過去に取り扱いをしたことがあればすぐに記載をしてもらえます。
可能と返事がくれば、新しいインボイスに上記の文言が記載されています。
それを税関や通関業者に提出しましょう。関税が安くなります。
記載方法がわからない等の返事が返ってきた場合、すぐに原産品申告書を作成してもらうことは困難です。今回はあきらめて原産品申告書なしで通関を進めてもらいましょう。
TPP圏内の国から届いた商品の場合
EU/イギリスとの原産品申告書の依頼と基本的には同じ方法でOKです。ただEU/イギリスとの連携ではインボイスに原産地を宣言してもらう事で証明が出来るのですが、TPPでは原産品申告書を別に記載してもらう必要があります。
TPPの場合は以下のような感じで聞いてみましょう。
Can you issue a certificate of origin like the sample below?
以下の見本のような原産品証明書を発行することは可能ですか?
税関HP原産地証明手続き(TPP:原産品申告書からダウンロードできます)
こちらも理解している業者であれば書類を発行してくれます。ただ理解していない業者での発行は無理と考えましょう。原産品申告書を作成するには、原産地の規則や、加工工程等など理解しなければならないことが沢山あります。これを現地に説明することは個人輸入困難です。
面倒でも費用対効果は高い
この作業、現地とのやり取りは面倒ですよね。やらない方も多いです。ただ上手くいけば関税が数千円~数万円がかかからないことになります。
聞くだけなのでチャレンジする価値はあると思います
自己証明の注意点
原産品申告書の自己証明はメーカー、仕出人、輸入者が自身で作成できます。そう輸入者が作成することも可能です。ただ、原産性の確認を十分に行わずに、安易に原産品申告書を作成したり、代行業者に作成を依頼して間違っていれば後に修正申告の対象となります。またそもそも虚偽の原産品申告書を作成することは違法となりますのでご注意ください。
まとめ
税関、通関業者から原産地証明の確認を求められたら!
原産地証明はなくても輸入出来る
原産地証明があれば関税が安くなる
・個人で用意するのは難しい
・個人では特定の条件の時だけ用意可能
特定条件を理解して購入者に確認
原産地証明書の税関確認は税関トラブルではありません。ただ税関トラブルは色々なパターンがあり一度ひっかかると対応に時間があります。
税関規制を理解しておけば殆ど避けれますので:個人輸入規制のまとめ「税関でひっかかる商品と確認方法」も参考にしてください。
税関にひっかかった時シリーズ
(税関への回答方法を纏めています)
【商品価格の確認】3つのパターン
【商品の説明】の2つのパターン
【食品衛生法】への回答方法
【ナイフ/刀剣類】の対処方法
【CBDオイル】の対処方法
【美顔器/脱毛器】の対処法
【原産地証明書】の対処法
【ワシントン条約】の対処法
【税関検査】の心構え
【個人使用確認】の回答法と対処法
【コピー商品、偽物】に対する対処法